英語教材の「DUO3.0(2000年出版)鈴木陽一著、株式会社アイシーピー発行」は英語学習でよくおすすめされている参考書です。単語帳でありながら、英語力全体を鍛えることができる優れものの1冊です。
DUO3.0は、TOEICなどの資格試験におすすめだけではなく、英会話のレベルアップのためにも活用をすることができ、非常に汎用性が高くなっています。
この記事では、DUO3.0の特徴をさらいながら、独学で英会話習得に近づくための勉強法を紹介していきたいと思います。
私がDUO3.0を使い始めたきっかけは、昔に国際関連の資格のために使っていた某大手予備校で、講師から英語学習のためにおすすめされたためです。
学生時代に必修科目で勉強して以降英語にほとんど触れずに、留学経験もなく、全くアドバンテージのない状況でした。
特にTOEICのスコアや英検も持っていませんでしたが、英検2級~準1級程度のレベルまでに英語力を上げるため、語彙対策としてこの1冊をやり込んでいきました。
英語に関しては、初心者レベルから数年間独学で基礎から勉強を進めていきました。始めはTOEICなどのスコアのためにと思い英語を勉強していましたが、貿易会社に転職後強制的に毎日英語を使って仕事をする環境になり、もっと英語を使いこなせたら…とも考えていくようになりました。
ちなみに現在も仕事で毎日英文の書類を扱い、海外と英語を使ったやり取りをしていますが、DUO3.0を使うと、資格だけでなく日常やビジネスの英会話に非常に有効だと実感をすることになりました。
DUO3.0で対応できるレベルは、具体的な数値として以下が目安として紹介されています。
・TOEIC: 600~780点
・英検:準1級
・TOEFL:60~90点
私はTOEIC870点までスコアを上げましたが、DUO3.0で基礎的な語彙力はカバーできているなという感覚です。英検は準1級レベルまでとなっていますが、2級レベルまでなら語彙対策はDUO3.0で余裕という感じです。ただ英検準1級取得のために専門で勉強したいとあれば本書1冊では足りず、別途準1級独特の語彙対策が必要になるので、少々物足りなさは否めません。
しかし、本書の中でTOEICや英検でもある程度のレベルまでは対応し、日常会話で使う基礎的な要素を十分にカバーできるレベルと言えるでしょう。
・現代英語の重要単語1,600語+熟語1,000語
・語彙レベルは6,000語~9,000語レベルまで対応
さらに、こちらがDUO3.0が扱っている単語数と、単語レベルです。語彙レベル6,000語というと、TOEIC600点・英検2級レベルと言われますので、最低ラインでTOEIC600点レベルまで確保できるというわけです。
例文で扱っている数は、単語1,600語+熟語1,000語に及びますが、DUO3.0の特色として、各単語の派生語や同意語、反意語も紹介されていて、辞書のような機能も持っています。
各単語の派生語、同意語、反意語まで全部覚えるのはとてつもない労力を要しますが、例文の単語をメインに覚え、さらに本書に掲載されている単語全般をマスターしていくと9,000語レベル(英検準1級程度、TOEIC800点超え)の学習にも役立つということです。
DUO3.0は「世界で通用する英語教材」をコンセプトに、現代英語でよく使用される単語や表現に焦点を当てています。本書の中の例文は会話調のものが多く、ネイティブ同士の日常会話表現を多くさらっています。
例えば、本書で扱っている例文の中に次のような文があります。
このように、口語で使うような比較的カジュアルな表現だけれども、一見文字通りだと意味がわかりにくい表現が扱われています。
決まり文句として覚えているか覚えていないかで、大きく差が付くような表現です。
まず単語学習全般に言えることですが、週末にまとめて勉強をするよりも、毎日30分でもコツコツ続けた方が記憶が定着しやすいです。学生の方も社会人の方も基本的に平日は忙しく時間は取りにくいと思いますが、通勤・通学時間を活用するのがおすすめです。
通勤・通学の電車の中では参考書を開く習慣をつけ、強制的に毎日勉強に向かう姿勢を整えてしまうことです。
DUO3.0は1 SECTION数ページで、計45 SECTIONで構成されています。1日に1~2SECTIONで区切って、理解度によって前のSECTIONの復習をしたり次に進んでいくのが良いでしょう。
特に聞き慣れないような、初めて出会う単語は、なかなか覚えるのに苦戦をすると思います。英単語は、口ずさみながら音とセットで覚えていくのもおすすめです。さらにDUO3.0では付属のCDで全ての例文の英語と日本語訳の音声、その中の単語の音声を収録しています。
1つ1つ単語の発音を確認でき、例文のスピードで英文をシャドーイングをしていくとリスニングやスピーキング力アップが期待できます。本書ではある程度の難易度の単熟語が約2,000語に及ぶため、目だけでなく耳を活用して覚えていきます。
DUO3.0では次の学習方法が推奨されています。
1. 例文で使われている単語・熟語をチェックしながら和訳ができるようにする。
2. CDを活用し、音を聞いて日本語⇔英語の変換ができるようにする。
3. 日本語での意味をイメージしながら、英訳し音読を繰り返す。
1〜3を終えてさらに余裕ができたら、重要単語以外の関連語や派生語をチェックしていく。まずは本書を読みながら、重要単語・熟語をマスターできるようにしていきます。CDを活用し、最終的には例文の英訳ができるようにすると、増やした語彙の中から英文を組み立てていく力をつけていくことができます。
この練習を繰り返していくと、英会話で表現の幅が増えていくことを実感することができます。英語での会話で何か言いたいとき、言いたいフレーズをスムーズに引き出しやすくしてくれます。
英語初心者からの学習であれば、DUO3.0の内容をマスターしていくために少々時間がかかります。私は数年間TOEICのスコアを上げるための英語学習にもDUO3.0を重宝していましたが、その中で英単語を覚えて忘れてを繰り返していき、じっくりと定着させていきました。
短期間で集中的にやっていても、1冊の内容をほぼ覚え完成させるためには数ヶ月はかかります。
英語初心者では当然ビジネス英語にも馴染んでいなかったのですが、ビジネス英語を特段勉強をしていなくても、本書に根気よく取り組んでいるうちに仕事で英語を使ったやり取りにほとんど抵抗がなくなっていきました。
例えば、DUO3.0の中で扱っていて、貿易で海外と価格の交渉をするときに本当によく使うなという単語、表現は思いつくだけでも多数ありました。
・make an arrangement(手配をする)
・make a reservation(予約をする)
・hand in (提出する)
・estimate(提出する)
・as usual (いつものように)
・confirm(確認する)
また、トラブル時に急いで海外へ確認を取らなければいけない場面でも、役立つ単語や熟語もありました。
・urgent (緊急の)
・due to(~のせいで)
・on account of~(~が原因で)
・from now on (これから)
1冊を終えてみて、海外とやり取りするときの基本的な表現を押さえられるレベルまでに、気付いたら到達していたという感覚です。
最終的に、DUO3.0の各例文をほぼ英訳できるまで使いこなしていくと、英会話の力が格段に上がったと実感をすることができました。特にトラブル対応であれば、必要なことを考え自分で英文を考えて伝えなければなりません。
勉強を始めたばかりの頃は、言いたいことがあってもその単語を知らない・英文を組み立てられない・結局自分が何を言いたいのか分からなくなる、という悪循環に陥っていたのだと思います。
やはり音で覚える練習までしていくと単語と英文が頭に入っているために瞬時に考えて、英文が作れるようになりました。
英語が話せるようになるためには、実務トレーニングが必要で、留学を経験したり英会話スクールに通ってお金をかける必要があると思う人も多いかもしれません。最近はそれだけではなく、オンライン英会話など安価で英語を話せる場を設けるサービスも普及しています。
しかし、まずは英会話の前に英語を話すための土台作りから始め、自然と表現できるレベルにまで伸ばしていくためには、参考書を活用してみるのも手です。
独学で頑張ってみると非常に自信に繋がります。
数ある参考書の中でも、DUO3.0は総合的におすすめできる良書です。まずは1日30分から、単語学習を始めてみましょう。
DUOで習った単語はぜひオンライン英会話のクラスライブで実践してみてくださいね。